アイデアの型

開発者からメッセージ

SCAMPER(スキャンパー)法

 人の頭の中には、アイデアを考え出す典型的なパターンがあります。「対象物に何かをくっつけてみる」「対象物の何かを小さくしてみる」「対象物の何かを逆にしてみる」といった、誰もが自然に行う考え方です。大きく分けると、7~9つに数えられます。

 そのパターンを利用して、アイデアを強制的に発想する方法があります。各パターンの英単語の頭文字を取って「SCAMPER(スキャンパー)法」と呼ばれる手法です 。

 世界中に多くの発想法がありますが、中でも非常に汎用性の高い方法がスキャンパー法です。子どもが問題解決のアイデアを発想したり、ビジネスパーソンが新規事業を考えたり、世代・分野を問わず幅広く使われています。

 スキャンパー法は、数多くのアイデア発想法の本にも掲載されていることから、間口の広さがうかがえます(あるいは、ほぼ同じ内容の「オズボーンのチェックリスト」「アイデアのチェックリスト」と呼ばれる手法も多くの本で紹介されているでしょう)。

課題

 私はこれまで、創造研修やアイデアワークショップで多くの日本企業にスキャンパー法を提供してきました。その中で次第にわかってきたことがあります。

 それは、現代のビジネスシーンで発想しやすいパターンもあれば、思考ステップが多くて発想しにくいパターンもあるということです。

 しかし思考ステップが多いものはひねりの利いたアイデアが出るという良い側面もあるのです。

開発の経緯

 そこで、発想する順序を変えて何度も実践で試し、最適な順番を探りました。最終的に、CEMRAPSという順に並べたところ、 発想が容易でアイデア発想作業が苦手な人でもアイデア出しがスムーズにできるようになったのです。後半になるとやや難しいパターンが並びますが、前半で思考の助走ができているため、勢いに乗ってアイデアを生み出すことができます。

 アイデアを考えることは苦手だが、必要とされる場面で確実にアイデアが出せるようになりたいという声にこたえて、今回このツールを開発しました。

使用にあたって

 シートを開いて5秒で作業が理解できるように、表現は極力削ってあります。 最初の利用では、付属の使い方マニュアルを見ながら自分に合った発想をしてみてください。

 アイデア発想法は自転車に乗る技術とよく似ています。一度自転車に乗れるようになればブランクがあってもすぐに感覚を思い出せるように、アイデア発想も何度か練習を重ねるうちに、必要な場面で素早くアイデアを出せるようになるでしょう。

 また、マニュアルに記されているワンポイントアドバイスには、発想をスムーズにする心理様式(考え方)が書いてあります。なかなかアイデアが出せないという場合には参考にしてみてください。

 苦手な方には意外に思われるでしょうが、小さなコツがつかめてしまえば次々にアイデアが出せるようになるものです。最終的にはこのツールが不要になることが理想の姿だと思います。アイデア発想作業に慣れるための最初の補助道具としてお役に立てば幸甚です。

グループワークを運営する方に

 「CEMRAPSの発想例」として、5つのグループが同一のお題に取り組んだ例を紹介します。

 CEMRAPSの発想例(1,249KB)

 これは、ある教育機関で「暑がりと寒がりがともに快適に講義を受けるアイデア」をテーマに発想作業を行ったものです。

 末尾には「分析メモ」として、会話特性の傾向分けについても触れています。グループワークを行う際の参考になさってください。

CEMRAPSの発想例

企画に長けた方には

 なお、従来のアイデアプラント製品は企画チーム向けが主でした。一方で、今回の製品はクリエイティブ部門以外の方々、普段あまりアイデア出しをしない方々のために開発したツールです。

 企画に長けた方であれば、このツールが提供するパターンはすでに実践されていることかと思いますので、ブレスター智慧カードなど、アイデアプラントの他製品の仕様をご検討いただく方が良いかもしれません。

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